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たのしい循環生活

堆肥づくりのススメ【1】

無造作につかんだ堆肥を、
手のひらにのせて、
確かなものを掴んだ目で話し始める。

受講生たちは、彼女の言葉を拾おうと聞き耳をたてる。
この日の生ごみ堆肥をつかった菜園講座の参加者は若い人から、70歳以上のご夫婦も含まれる和気あいあいな雰囲気。

これが堆肥づくり歴50年以上を誇るNPOの会長であり「のぶばあ」こと波多野信子。
私の母である。

この活動がスタートした21年前に、講師としてスカウトした。
負けん気が強くて、人見知りで、寂しがり屋のややこしい性格の彼女と、社会的な活動の道を一緒に切り開いてきた。

特に専門的に堆肥の知識を学んでいない家庭の主婦がやせた土の庭に、元気な野菜や、美しい花や樹木を育てたいとせっせと庭に穴を掘って台所から運んだ生ごみを埋めて、庭の雑草やせん定したあとの残さを土に戻すとろから始めた。

市の助成金がでるプラスチックの設置型コンポスト容器が出て、待ってましたと飛びついたが、虫と悪 臭に悩まされる日々。思うようにできないことが、何でも器用にこなす彼女を本気にさせたようだ。

持ち前の好奇心と負けん気で、格闘を繰り返し、湧き出るアイディアが次々と生まれた。

自宅にあるTシャツを縫って最初の「虫よけキャップ」を開発したのは昭和の後半。この虫よけキャップは設置型コンポストやダンボールコンポストで今でも日本中で愛用されている。
 その後、仲間とモニタリングを重ねさらに強力な「虫よけカバー」が誕生。博多弁で「虫来んとよ!(虫来ないで)」から「虫コント」の愛称がついた。
工夫や改善を重ねた中から出た知恵の集積が現在のNPOのノウハウの柱となっている。(つづく)

たいら由以子

 

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